呼吸器内科臨床研究

間質性肺炎・肺線維症の病態に影響する自然免疫系分子に関する研究

間質性肺炎・肺線維症は、未だ原因が良くわかっていない、一旦発症すると完治することがなかなか困難な疾患です。近年、この疾患に対する治療薬は、既に承認を得た2剤に加えて幾つかの薬剤が開発途上にありますが、いずれも十分な効果とは言えません。私たちは、大阪大学免疫学フロンティア研究センター自然免疫学研究室と「間質性肺炎・肺線維症の病態に影響する自然免疫系分子に関する研究」という共同研究を開始し、間質性肺炎・肺線維症の病態に関わり、今後、新規創薬標的分子となりうる幾つかの候補分子を同定していますが、候補分子のヒト間質性肺炎・肺線維症における役割を解析するためには、肺組織において同分子を発現する細胞や、同分子の発現量を免疫染色という方法を用いて調べる必要があります。そこで本研究では、過去に、「免疫関連疾患の病態解析のための検体バンクの構築」「呼吸器外科及び呼吸器内科の手術および検査の生体試料の保存について」という研究題目に対する同意を頂いている間質性肺炎・肺線維症や肺がん患者さんの、外科的肺生検や治療を目的とした肺切除組織の余剰試料を使用させていただきたいと考えております。患者さんの氏名等の個人情報は厳重に保管し、外部に漏れることはありません。また本研究は大阪大学医学部附属病院倫理審査委員会の承認を得て、病院長が許可した上で、施行しております。

大阪大学医学部附属病院呼吸器内科、呼吸器外科に通院されたことがあり、過去に、「免疫関連疾患の病態解析のための検体バンクの構築」「呼吸器外科及び呼吸器内科の手術および検査の生体試料の保存について」という研究題目に対する同意を頂いている患者さんで、本研究への参加を拒否されたい方、或いは本研究に関するお問い合わせ(研究計画書や研究方法に関する資料の開示等)がある方は、木田博(06-6879-3833)までご連絡下さい。

研究責任者

大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫アレルギー内科学教授 熊ノ郷 淳