免疫内科をすすめる10の理由

大阪大学で免疫内科医を目指そう!

大阪大学学内学外を問わず、誠実で熱心な医学生、研修医、医師を募集しています。

1 様々な症状を鑑別、全身臓器を検索し、急性・慢性期ともに診療します

免疫内科で診療する疾患は、免疫システムの破綻により発熱、関節炎、皮疹、血液異常、腎障害、肺障害、神経障害など多様な症状を呈し、様々な臓器が侵されます。多臓器を侵す炎症の原因を探り、免疫をうまく制御することによって疾患が軽快することが多く、内科医として達成感が得られます。また、免疫学の窓から病態を考えるとなぜこのような病気があらわれるのか医学的興味がつきません。免疫疾患の急性期における寛解導入療法から慢性期における維持療法まで、若年の自己免疫疾患から高齢者のリウマチ性疾患まで、様々な経験を積むことにより内科医としての経験の幅が広がります。

2 スペシャリストと同時にジェネラリストです

研修では内科専門医の次に、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医の取得を目指します。この分野は、医療の専門化細分化のなかで単一臓器しか診察しないという専門医ではありません。様々な症状を診察し、全身各臓器に注意を払うため、免疫疾患スペシャリスト(専門医)は、内科ジェネラリスト(総合医)としての資質が備わっていきます。将来、実地診療にあたる場合には非常に大きなアドバンテージでしょう。

大阪府(2017年10月)ではリウマチ専門医423名、アレルギー専門医262名が登録されています(ちなみに、糖尿病専門医517名、呼吸器専門医459名など)。

3 整形外科的知識も身につき、感染症にも強くなります

関節リウマチをはじめとし、関節炎をきたす免疫疾患は数多く、関節の診察、関節レントゲン読影、関節エコー検査などを通じて筋骨格系の診察にも強くなります。骨粗鬆症も日常診療です。ステロイド、免疫抑制剤や生物学的製剤開始前の感染症リスク評価や、使用中の様々な感染症の治療を経験することにより感染症の対応にも強くなります。

4 免疫内科の専門医は各地で求められています

免疫疾患を診療できる医師は引く手あまたです。リウマチ性炎症疾患は生涯に女性8%、男性5%が罹患すると言われ、また、国民の3分の1は、気管支喘息などアレルギー疾患に悩んでいると言われ、アレルギー疾患には新しい生物学的製剤や舌下免疫療法も普及しています。また、一般病院では診療が難しい、SLE、皮膚筋炎、全身性強皮症などの自己免疫疾患の診察にも慣れていきます。common diseaseから稀少疾患まで、免疫が関与している様々な疾患を専門家として広く診療していきます。

5 免疫内科の臨床研修は大阪圏が最適です

大阪を中心に阪神地区は人口が非常に多く集中しており、多くの基幹病院があります。大阪圏の主要基幹病院の多くは大阪大学の関連病院であり、多くの症例を経験しながら活躍することができます。大阪で十分に研修を行ない医師として経験を積み、将来は出身大学や出身地方に戻って出身地域に貢献して頂くことも可能です。近畿地方以外の方には、大阪を生活の中心にすると神戸、京都、奈良はすぐ近くで、休日に足を伸ばしても楽しいでしょう。

6 最先端の生物学的製剤を先導していきます


使用可能な生物学的製剤

抗IL-6受容体抗体(大阪大学で臨床開発)や抗TNFα抗体をはじめとする生物学的製剤、あるいは次々と登場している免疫調整分子を標的とした新薬など、最先端の薬剤を駆使して免疫疾患を治療していきます。その効果は驚くほどで、免疫疾患の治療は大きく進歩しています。現在、免疫疾患毎にどの分子を標的にすると良い結果が得られるか、次第に明らかになってきており、これまでステロイドと免疫抑制剤で治療されてきた難治性疾患にも今後は次々と分子標的薬が普及して行くでしょう。内科的治療が奏功したときには医師としての充実感が得られます。

7 大阪大学では免疫学研究が非常に盛んです

大阪大学は伝統的に免疫学研究が非常に盛んな大学で、免疫学を看板としています。大阪大学News Letterでは「世界に冠たる大阪大学の免疫学」、と特集が組まれました。大阪大学には世界的な免疫学者が多く、最先端の免疫学研究に日常的に触れることができます。当教室から基礎免疫学教室を紹介し修行させることもよく行なわれています。研究を経験すると疾患に対する新たな興味が生じ、新しい診断法、治療法や予防の開発に挑戦したくなるでしょう。それを国民そして世界のひとびとは期待しています。「臨床での疑問を研究へ持ち込み、研究の成果を臨床へ繋げる」ことを目標としています。

8 研究が面白くなれば留学を勧めます

研究が面白くなったなら研究者としての進路も可能です。その時には海外へ留学し世界を見て来て下さい。世界的な研究所の研究環境や情報網の中で自分の研究を試してみて下さい。また、観光や学会で一時的に滞在するのではなく、異文化のなかで日々生活し、仕事をし、子供を現地の学校に通わせると様々な面で日本との違いが見えてきます。留学先で出会った友人がそれぞれの母国に戻ることで世界中に友人を作ることができるでしょう。海外での生活は一生の財産になるでしょう。教室との繋がりがあれば帰国して大学に戻ることも、教室関連病院で再び医師として臨床現場に立つことも可能です。

9 呼吸器内科、癌免疫にも親しめる

当教室は、免疫内科、呼吸器内科、癌免疫研究室とで形成されています。免疫内科を専門としていても、呼吸器内科医、腫瘍内科医と一緒に診療や研究を行なったり、合同カンファや勉強会で呼吸器内科分野、癌免疫分野の勉強もできます。免疫学の研究を行った後、関連病院の呼吸器内科で就職する医師もいます。

10 出身大学を問わず、自由闊達な雰囲気が当教室の伝統です

教室は旧第3内科の自由闊達な雰囲気を引き継いでいます。教室員の出身大学は様々で、日本中から人材を受け入れています。入局後には、教室からアドバイスはするものの、本人の希望をできるだけ聞き入れる柔軟な進路相談を行っています。基幹病院で専門的診療に従事する、開業する、非常勤で働く、他の科に専門を変える、基礎教室に行って研究者になる、海外生活の長い人、製薬会社勤務など様々で、臨床家から研究者まで多様な人材を輩出し、OBに広い人脈を形成しています。あなたの希望にあった仕事を見つけて下さい。また、教室は女性のキャリア形成にも柔軟に対応しています。

免疫内科を選ぶと幸せになれる?

米国の25専門分野で29000人の医師に、病院での仕事以外での幸せの度合いを自己評価してもらい平均すると、リウマチ科医師が最も幸せ度合いが高かったという記事が掲載されています(WebMD's 2012 Physician Lifestyle Report)。
2位以下は皮膚科、泌尿器科、眼科と続きますが、リウマチ科の医師がもっとも幸せと思っていることには、私達も実感(!)しているところで、米国での投票結果に頷いている日本のリウマチ医も多いのではないかと思います。

リウマチ医が幸せを感じていることの理由として、O'Dell JRは以下のことを挙げています。幅広い年齢層の患者に対して、一つの臓器ではなく患者全体を診療する。有効な治療法によって良い結果が得られ、いつも患者さんから感謝を受ける。長期にわたり寄り添う診療を行なう。診断医として病院でシャーロック-ホームズのように活躍し、最終的に診断をつけることが多い。自分の生活を大切にでき時間を自分で管理できる。などで、当教室免疫内科の医師達も納得しています。もっとも、自分は幸せと思う医師がリウマチ科を選ぶのかも知れませんが・・・(O'Dell JR The Rheumatologist, July 2012)。

相談や見学に関する問い合わせ

楢崎雅司:mnarazaki@imed3.med.osaka-u.ac.jp