呼吸器内科臨床研究

非小細胞肺癌患者において抗PD-1抗体治療への感受性・抵抗性に関わる腫瘍由来因子の探索

1.研究の対象

大阪大学大学院医学系研究科呼吸器免疫内科学および刀根山病院呼吸器腫瘍内科・大阪府立はびきの医療センター肺腫瘍内科および大阪国際がんセンター呼吸器内科にて2012年1月1日から2017年4月30日までに気管支鏡生検・CTガイド下生検・外科生検・外科治療を受けた患者。いずれも、これまでに研究計画「呼吸器悪性腫瘍及び炎症性疾患において治療標的となる免疫・シグナル関連分子の探索」(承認番号:15383)及び「免疫・呼吸器関連疾患の病態解析のための検体バンクの構築」(承認番号:11122)に関して文書にて同意を頂いている患者。

2.研究目的・方法

現在抗PD-1抗体の治療効果を予測するためにバイオマーカーとして腫瘍組織におけるPD-L1発現が用いられているが、腫瘍の不均一性の影響を受けやすく、偽陽性となることもしばしば経験される。採血で分かるようなマーカーがあればこのような腫瘍内での不均一性の影響を受けにくく有用性・利便性が高い。これまでバイオマーカーとして報告されているPD-L1発現という単一の評価と比較して、本研究で探索する末梢血を用いたマーカーの優位性を検討するために、様々な背景因子による治療効果への影響を考慮する目的で免疫学(リンパ球浸潤の程度など)・病理組織学(組織型の違いなど)・遺伝学(特定の癌遺伝子変異の有無など)を合わせたデータの解析が重要である。

本研究では、すでに保存している検体を用いて、複数の免疫関連因子の免疫染色、特定の肺癌関連遺伝子のスクリーニングを行う。研究計画「呼吸器悪性腫瘍及び炎症性疾患において治療標的となる免疫・シグナル関連分子の探索」(承認番号:15383)で前向きに集積している末梢血解析のデータおよび臨床経過に関する情報と合わせて評価を行い、バイオマーカーとしての優位性を検証する。

研究期間は2019年12月31日までを予定。

3.研究に用いる試料・情報の種類

試料:採血、気管支鏡検査、外科切除の余剰検体として凍結保存しておいた検体

情報:病歴・治療歴や血液検査結果など

4.お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。

ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2
大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学
研究責任者 小山 正平
連絡先電話番号:06-6879-3833

研究代表者

大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学 小山 正平