大阪大学大学院医学系研究科
呼吸器・免疫内科学
Department of Respiratory Medicine and Clinical Immunology, Graduate School of Medicine, Osaka University
全気管支のスイッチオブリーク法と自動解析の比較:2018年7月に気管支鏡を行った症例
精密な枝読みと極細径気管支鏡による診断率:2018年8月から2019年3月までの悪性腫瘍を疑い気管支鏡を行った径30mm未満の症例
がん遺伝子パネル検査の対象:上記症例のうち、精密な枝読みをもとに極細径気管支鏡で診断がついた方で、今後の臨床方針決定に気管支鏡検体を使用しない方(手術検体が別にある方、背景疾患などから治療適応にならない方など)、もしくは他に検体がなく極細径気管支鏡で得られた検体を臨床方針の決定に使用することが妥当である方
肺癌を疑う肺野末梢病変を診断するための一般的な方法は、気管支鏡による検査です。しかし肺野末梢の小さい病変に対する診断率は高くありません。当科では精密な枝読み方法としてスイッチオブリーク法を用いて経路設計しております。この方法を用いてより肺野末梢までapproachできる極細径気管支鏡を用いることで診断率を向上させる可能性があると考えています。ただし、採取できる検体は微小で近年参入しているがんゲノム医療で必要な腫瘍量を得られるのか判然としていません。
本研究においては2018年8月から2019年3月まで当科で気管支鏡を行った症例のうち、悪性腫瘍と診断された径30mm未満の病変を呈した症例を対象に、精密な枝読みと極細径気管支鏡を組み合わせることで診断率が向上するか、また採取された検体ががんゲノム医療に耐えうるのか、そうでない場合には耐えうるためにどのように工夫したらよいかを検討します。
本研究に用いる情報は、全て過去に収集されたものです。具体的には、気管支鏡時にルーチンで録画されていた動画、気管支鏡検査レポート、CT画像データ、病歴、最終病理診断、腫瘍検体の病理像などです。情報は基本的にすべて匿名化されて使用されますが、少数の代表的な症例についてはCT画像やそれをもとに作成した気管支樹、病理所見、がん遺伝子パネル検査の結果などが匿名化されたうえで公開されることがあります。
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大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫内科学 助教 三宅浩太郎
大阪大学医学部附属病院 呼吸器内科 がんゲノム情報学 医員 高田 創