呼吸器内科臨床研究

未治療進行・再発非小細胞肺がんに対するニボルマブ(商品名:オプジーボ®)+イピリムマブ(商品名:ヤーボイ®)およびペンブロリズマブ(商品名:キイトルーダ®)治療の有効性と安全性に関する多施設共同後向き観察研究

1.研究の目的

進行・再発非小細胞肺癌における実臨床でのニボルマブ+イピリムマブ併用療法の有効性、安全性などを後ろ向きに調査し、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法を有効かつ安全に使用できるようにすることを目的とします。また、同効薬であるペンブロリズマブ療法とも比較することにより、患者さんに適切な薬剤を提供できるようにすることも目的としております。最後に、診断時の組織検体を用いて治療効果予測のバイオマーカー探索も同時に行うことも目的としております。

2.研究の方法

対象となる患者さん

2018年12月から2022年5月31日までの間に初回治療としてニボルマブ+イピリムマブあるいはペンブロリズマブ(プラチナ併用化学療法の有無を問わない)を開始された進行・再発非小細胞肺癌の患者さま。

利用するカルテ情報

性別、年齢、全身状態(ECOG-PS)、喫煙歴、投与時のステージ、組織型、ドライバー遺伝子変異の有無とその詳細、PD-L1の発現率、転移巣(肺転移、胸水、肝転移、脳転移など)の有無、前治療歴(放射線あるいは手術歴)、ステロイド剤の使用の有無、既存の間質性肺炎の有無、血中の好中球/リンパ球(NLR)、治療内容の詳細、最良効果、治療中止日、病勢増悪日、死亡日、有害事象の有無とその詳細など。

利用する組織検体

過去の診療で採取した腫瘍組織を用いて、免疫組織染色(CD31を発現している腫瘍血管やMECA-79を発現している高内皮細静脈など)・遺伝子発現などの解析を行い、上記のカルテ情報との関連性を評価します。なお、過去に採取したがん組織が小さい場合、事前に適切に評価した場合でも、本研究での使用によって保存している検体が消耗してしまう可能性があります(ただし、その後の診療上での追加検査の可否に影響はありません)。

3.個人情報の取り扱い

利用する情報からは、お名前、住所など、患者さんを直接同定できる個人情報は削除します。また、研究成果は学会や学術雑誌で発表されますが、その際も患者さんを特定できる個人情報は利用しません。

*上記の研究にカルテ情報を利用することをご了解頂けない場合は、以下にご連絡ください。また、組織検体に関しましても、お亡くなりになられた患者さん、および手術などによる十分な組織量が確認できた患者さんにおかれましては、この掲示をご確認頂き、「組織検体の利用を希望しない」とのお申し出がない場合には、ご同意頂いたものとして検討させて頂きたいと存じます。上記以外の患者さんで、追加検査の対処法に影響が出る可能性がある患者さんにおかれましては、適宜ご意向を確認させて頂きます。

4.問い合わせ先

松本錦之介
大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫内科学
大阪府吹田市山田丘2-2 
電話 06-6879-3831  FAX 06-6879-3839