呼吸器疾患のトピックス

オブリーク法マニュアル(Oblique Method Manual)

オブリーク法マニュアルのホームページへようこそ
Welcome to the Oblique Method Manual Homepage

この先に掲載されている「匿名化されたCT画像データ」は、呼吸器診療の教育目的での利用を前提として公開・配布されています。これらのデータは、その目的を遵守することを条件に、患者様からの同意を得てインターネット上で公開されています。目的外での使用はご遠慮ください。

The anonymized CT image data posted here is published and distributed on the premise that it is used for the purpose of respiratory care education. These data are published on the internet with the consent of the patients, under the condition that this purpose is adhered to. Please refrain from using it for purposes other than those intended.

はじめに

本マニュアルでは、気管支鏡検査に従事する医師を対象に、オブリーク法を用いたCT画像解析の方法について説明しています。本ホームページの内容を転載または公開することはご遠慮ください。特に、アップロードされているCT DICOMデータの二次利用については、固く禁じます。ここで述べる内容に基づき行われる診療行為は、実施する担当医の責任のもとで行ってください。

大阪大学呼吸器・免疫内科学講座 三宅浩太郎
kotaromiyake@imed3.med.osaka-u.ac.jp

1. オブリーク断面について

1-1. 「オブリークCT断面」とは、斜めに切り取られたCT断面のことを指します。アキシャル(横断面)、コロナル(冠状断面)、サジタル(矢状断面)以外のあらゆる角度で切り取られた断面がオブリークCT断面に該当します。

2. オブリーク法について

2-1. オブリーク法は、気管支鏡の経路を計画する際に用いるCT画像解析技術です。この手法の特徴は、オブリークCT断面を利用する点にあります。
2-2. オブリーク法を使用することで、従来の仮想気管支鏡ナビゲーションシステム(例:LungPointやSYNAPSE VINCENT)が自動解析するよりも多くの気管支分岐をCT画像から検出でき、標的への気管支鏡経路をより正確に把握することが可能になります。(Miyake K et al. J Bronchology Interv Pulmonol. 2018 Oct;25(4):305-314.)

3. オブリーク法を実行するための方法

3-1. オブリーク法で画像解析を行う際には、オブリーク法を搭載した気管支鏡ナビゲーションシステムの利用を推奨します。2024年現在、Ziostation2(ザイオソフト、アミン)、ZioStation REVORAS(ザイオソフト、アミン)、DirectPath v2.1(オリンパスメディカル、サイバネットシステム)があります。Ziostation2は日本国内だけでなく、海外でも販売されています。これらのシステムでは、ソフトウェアが解析に適した角度のオブリークCT断面を自動的に生成します。
3-2. 上記のシステムを利用できない場合は、医療従事者がオブリーク法を習得し、手動で実行することが求められます。Mac OS上で動作するDICOMビューアであるHorosやOsiriX、またはAquariusNETビューア、SYNAPSE VINCENTといった電子カルテシステムで利用可能な汎用DICOMビューアーを使用して、オブリーク法を行うことが可能です。
3-2-1. Horos https://horosproject.org/
3-2-2. OsiriX https://www.osirix-viewer.com/
3-3. [3-1]の場合、保険点数上の加算(D415-4経気管肺生検法(仮想気管支鏡を用いた場合))があります。
3-4. [3-2]の場合、保険点数上の加算(D415-4経気管肺生検法(仮想気管支鏡を用いた場合))が使えないと考えられます。D415-4経気管肺生検法(仮想気管支鏡を用いた場合)の要件として「患者のCT画像データから構築した仮想気管支鏡の画像を利用して行った場合」という記載があるからです。[3-2]では仮想気管支鏡画像をほとんど用いません。

4. オブリーク法で用いるオブリークCT断面の種類

4-1. 肺門と標的を結ぶ直線に対する「ざっくり輪切り断面」
4-2. 標的に繋がる気管支経路(多くの場合は直線ではなく折れ線)に対する「きっちり輪切り断面」。[4-1]と異なり、折れ線に沿って細かい角度調整が必要です。
4-3. 標的に繋がる気管支経路の「きっちり縦切り断面」。[4-2]と同様に、折れ線に沿って細かい角度調整が必要です。
4-4. [4-1]の断面画像は手作業でも比較的容易に調整が可能であり、大まかな解析に適しています。さらに[4-2や4-3]のような断面を用いることで、より細かい気管支の検出が可能になります。オブリーク法を採用した気管支鏡ナビゲーションシステム[3-1]では、[4-2や4-3]も自動的に調整して表示する機能を備えています。一方で[4-2や4-3]のような断面画像を手作業で調整するには、オブリーク断面を柔軟に扱う技術を術者自身が身につけている必要があります。

5. オブリーク法の手順 (専用システム[3-1]と手作業[3-2]で共通)

5-1. CT画像から標的へ至る気管支経路を決定します。これは単にCT画像データ内で一本の折れ線をイメージするだけです。さらに気管支経路上に存在する分岐を探します。
5-2. [5-1]で見つけた経路上の分岐に、目印として点をマーキングします。分岐ごとに進むべき方向にマーキングしますが、分岐がない場所にはマーキングしません。標的から肺門側へ順にマークすることで、経路探索がスムーズになります。
5-3. [5-2]で描いた経路について、肺門側から標的に向かって気管支鏡の視野で観察します。従来の仮想気管支鏡ナビゲーションでは仮想気管支鏡画像を使用しますが、オブリーク法ではオブリークCT断面を用います。
5-4. 分岐情報を紙に転記します。気管支分岐では手書きすることが多いです。
5-5. [5-1]および[5-2]でどのようなオブリーク断面を使用するかによって、オブリーク法の精度が変わります。 [4-1]のような断面を使用する利点は、オブリーク断面の角度調整が容易で迅速に解析が可能であることです。 [4-2や4-3]のような断面を使用すると、より細かい気管支も検出しやすくなります。
5-6. [5-3]でどのようなオブリーク断面を使用するかによって、オブリーク法の精度が変わります。[4-1]のような断面を使用する利点は、オブリーク断面の角度調整が容易であることです。 [4-2や4-3]のような断面を使用すると、最終的に紙のメモに転記する際に歪みの少ない(=気管支鏡の視野に似た)形で気管支の分岐を書くことができます。

6. [5-2]についての補足:マーキングする位置のコツ

6-1. 見つけた各分岐に対して、分岐をわずかに過ぎた地点に1つのマークを付けるのが望ましい方法です。
6-2. 分岐の手前でマーキングを行うと、進むべき方向がやや明確でなくなる可能性があります。
6-3. 分岐でない位置にもマーキングする方法は推奨しません。微細な分岐は、縦切り断面[4-3]でははっきりと認識できる一方で、輪切り断面[4-2]では認識しづらい場合があります。分岐のない場所にはマーキングを行わないからこそ、分岐の有無を効率的に認識することが可能です。
6-4. Ziostation REVORASは気管支を高精度に抽出し、自動的に気管支分岐に点をマークします。ただし、そのマークは[6-2]の位置に設定されています。より明瞭に気管支鏡経路を識別するためには、必要に応じて手動でマークを[6-1]の位置に移動させます。

7. [5-3]についての補足:肺門でオブリーク断面を準備するコツ

7-1. 5-3では最初に「肺門で、気管支鏡の視野と似たオブリークCT断面[#]」を得ることが必要です。
7-2. オブリーク法を搭載した気管支鏡ナビゲーションシステム(ZioStationやDirectPath v2.1)を使用する場合、気管から肺門部までは仮想気管支鏡画像を使用します。これらのシステムは仮想気管支鏡からオブリークCT断面に切り替える機能を持っており、肺門で切り替えを行います。
7-3. 術者が自身でオブリーク法を習得し、AquariusNETビューアで実行する場合について。気管から肺門部までは仮想気管支鏡画像を使用します。AquariusNETビューアは公式には仮想気管支鏡からオブリークCT断面に切り替える機能を持ちませんが、特定の操作を行うことで切り替えを行うことが可能です。肺門でこの操作によって切り替えを行います。
7-4. 術者が自身でオブリーク法を習得し、AquariusNETビューア以外のソフトウェアで実行する場合(例:HorosやOsiriX)、仮想気管支鏡画像とオブリークCT断面の切り替え操作はできません。この場合は、肺門における葉気管支の輪切りオブリークCT断面を手作業で準備する必要があり、オブリーク断面を柔軟に扱う技術を術者自身が身につけている必要があります。

8. [5-4]についての補足:紙メモの書き方

8-1. 一般的に、仮想気管支鏡ナビゲーションシステムの解析結果としては「仮想気管支鏡ナビゲーションシステムのコンピューターモニター画面」を最終結果として使用されることが多く、気管支鏡検査中にもモニター画面を参照することが一般的です。オブリーク法でも、気管支経路に対する「きっちり輪切り断面 [4-2]のコンピューターモニター画面」を最終出力として用いることも可能です。
8-2. しかし、オブリーク法では経路を紙に書き写しておく方法が有効だと考えられます。具体的には、分岐ごとに進むべき道を記述し、さらに各分岐に番号を付けておくと良いでしょう(下記参照)。
8-3. オブリーク法を用いると、多数の気管支分岐を識別することが可能であり、肺門部から10以上の枝を読み取ることも珍しくありません。このため、検査中に目の前にある分岐が事前に準備したプランのどの分岐に該当するかを一致させることが困難になる場合があります。
8-4. したがって、分岐ごとに番号を割り振っておき、気管支鏡検査中には「1番、2番、3番…」と数え上げながら末梢へと進入していく方法を推奨します。
8-5. さらに気管支鏡検査中には、気管支鏡の回転に合わせて紙の方向も回転させると良いでしょう。
8-6. なおZiostation REVORASには、分岐ごとに輪切り断面を記載した紙レポートを自動的に生成する機能があります。

9. オブリーク法が精密に気管支を検出できる理由

9-1. 第一の理由は、肺野末梢で仮想気管支鏡画像の代わりにオブリークCT断面を使用するからです。仮想気管支鏡画像ではCT上で確認される分岐のすべてを経路上に表示できるわけではありません。しかしオブリークCT断面では直接CT画像を見るため、より多くの気管支分岐を認識することが可能です。
9-2. 第二の理由は、CT画像を大きく拡大して詳細を確認するからです。
9-3. 第三の理由は、気管支経路のきっちり縦切りオブリーク断面[4-3]を使用するからです。
9-4. 気管支の外の情報、例えば伴走する肺動脈の位置や、気管支と標的の位置関係などが把握し易いのもメリットの一つです。

10. オブリーク法の上達のために大切なこと

10-1. 気管支鏡検査前には、気管支鏡を握る術者自身がオブリーク法で枝読みを行うことを推奨します。CT画像を見て、分岐の距離、角度、標的との立体的な関係などを事前にイメージしておくことが重要です。やむを得ず他の人が書いたメモを使用する場合でも、一度は術者自身が手書きメモ[8-2]と輪切りCT断面[4-2]をきちんと比較して照合しておくことを推奨します。
10-2. 気管支鏡検査中には、必要があれば躊躇せずに術者が手を止めてCT画像を確認することを推奨します。事前の枝読みに自信がなくなった時、枝読みとスコープの位置が一致しているか自信が無い時、予期せぬ分岐が見つかった時、あるいはEBUSがwithinになると予想していたのにそうならない時など、状況の再評価のためにはCT画像の再確認が有効です。術者がスコープを他の人に一時的に預けて1-2分間検査を中断しても、正確な経路を把握することで最終的には全体の検査時間の短縮につながる可能性があります。
10-3. 気管支鏡検査後には、行った検査の「復習」としてCT画像を再度確認することを推奨します。

11. オブリーク法を活用するための側臥位気管支鏡検査

11-1. オブリーク法を用いることで、肺野末梢病変に到達するまでの気管支経路を把握できる症例が増えることが期待されます。
11-2. ただし、気管支鏡はその経路の途中までしか進むことができません。
11-3. 肺野末梢まで可能な限り気管支鏡を進めるために、検査側を上にした側臥位で気管支鏡検査を行うことを推奨します。
11-4. 側臥位の上の肺では機能的残気量が増加し、一回換気量が減少することが報告されています。(J Clin Invest. 1959 Nov;38(11):2026-34. doi: 10.1172/JCI103981.)
11-5. [11-4]の知見を気管支鏡検査に応用すると、側臥位では末梢気管支が広がります。その結果、仰臥位と比較して側臥位では気管支鏡の到達度が最大4分岐も差があることがわかりました (J Bronchology Interv Pulmonol. 2022 Oct 1;29(4):307-310. doi: 10.1097/LBR.0000000000000875.)。また、呼吸性変動が減少するため、気管支鏡の操作が容易になります。
11-6. さらに、側臥位の上部の肺では分泌物が減少するため、視野が改善する効果も期待できます。

12. ZioStation REVORASの具体的な使い方

12-1. Ziostation REVORASはザイオソフト社が開発し、アミン社が販売する仮想気管支鏡ナビゲーションシステムです。
12-2. Ziostation2 CT気管支ナビゲーションは、オブリーク法を採用した初の仮想気管支鏡ナビゲーションシステムでした。その後継機としてZiostation REVORASがあります。
12-3. REVORASの具体的な操作手順は以下の通りです。
12-3-1. 標的を指定します。
12-3-2. ルート指定(アドバンスモード)に切り替わります。
12-3-3. ルート指定(アドバンスモード)では、肺門と標的を結ぶ直線に沿ったざっくり輪切り断面[4-1]が表示されます。この断面上で標的への経路を探します。
12-3-4. 標的への経路上で、分岐ごとに点をマーキングしていきます。REVORASでは自動的に抽出した気管支分岐に点が表示されていますが、認識しきれなかった部分は術者が手作業で補います。
12-3-5. さらに細かい分岐を探すために、ルート直行断面表示ボタンをONにします。これにより、標的に繋がる気管支経路に対してきっちり輪切り断面[4-2]ときっちり縦切り断面[4-3]が表示されます。これらの断面上で細かい分岐を徹底的に探し、見つけた分岐にマークを追加します。
12-3-6. ルート観察を行います。中枢気管支のような部位では表示形式として「VB」または「VB+MPR」を選択すると良いでしょう。
12-3-7. 肺門付近まで来たら、表示形式を「MPR」に切り替えて、きっちり輪切り断面[4-2]で経路を観察します。
12-3-8. REVORASのレポート作成機能を使用して結果をプリントアウトします。または、分岐ごとに紙に手書きで記録することもあります。

13. DirectPath v2.1の具体的な使い方

13-1. DirectPathはサイバネット社によって開発され、オリンパスメディカル社によって販売されている気管支鏡ナビゲーションシステムです。
13-2. DirectPathのバージョン2.1へのアップデートに伴い、オブリーク法が導入されました。
13-3. DirectPath v2.1の具体的な操作手順は以下のとおりです。
13-3-1. 目的の標的を指定します。
13-3-2. 手動抽出(オブリーク)を選択します。
13-3-3. 手動抽出(オブリーク)では、DirectPathによって自動認識された気管支が青色で表示されます。この青色で表示された領域内で、肺門側の地点($)を指定します。DirectPathではこの地点($)から標的までの間については、手作業で分岐を追加することができます。ただし、地点($)より中枢側の気管支分岐については、見落としがあっても後から修正ができません。したがって地点($)としてはかなり中枢側(例えば葉気管支)を選択することを推奨します。
13-3-4. 「標的に至る気管支の肺門側の地点($)」を指定すると、肺門と標的を結ぶ直線に沿ったざっくりとした輪切り断面[4-1]が表示されます。この断面上で標的への経路を探ります。
13-3-5. 標的への経路上で分岐があるごとに点をマーキングします。マークを打つたびにオブリーク断面の角度が自動的に修正され、対応するきっちり輪切り断面[4-2]ときっちり縦切り断面[4-3]がリアルタイムで表示されます。(REVORASとは異なり、[4-1]から[4-2]への切り替えにボタン操作は必要ありません。また、「直線[肺門-標的]に沿う」オプションを選択することで、ざっくりとした輪切り断面[4-1]を表示させることができます。)
13-3-6. ナビゲーションを表示します。中枢気管支では仮想気管支鏡画像が表示されます。
13-3-7. 肺門付近まで到達したら「オブリーク」ボタンを押し、きっちりとした輪切り断面[4-2]で経路を観察します。
13-3-8. 分岐ごとに手書きメモを書きます。

14. [12-3-4および13-3-5]の補足:ナビを用いるときの「最末梢のマーキング位置」について

14-1. Ziostation REVORASおよびDirectPath v2.1では、末梢の気管支経路に沿って各分岐点にマーキングを行います。
14-2. この際、最も末梢側の位置[¥]をマーキングする際には少し注意が必要です。
14-3. [¥]は「気管支経路が標的に到達する最終点」をマーキングしてください。
14-4. [¥]を標的の内部など、気管支と関係のない不適切な場所に設定することは避けてください。
14-5. [14-3]の位置に[¥]をマーキングすると、きっちり輪切り断面[4-2]で気管支の流入経路と標的の位置関係が正確に表示されます。この断面像は、例えばEBUS所見を予測する際にも有効です。(Inoue T et al. Medicine (Baltimore). 2022 Apr 29;101(17):e29076.)
14-6. しかし、[14-4]のように[¥]を不適切な位置にマーキングすると、きっちり輪切り断面[4-2]では標的内部への気管支経路が誤って描画されることになります。これは標的内部に到達するような気管支経路が存在すると誤解される原因となります。
14-7. 順調に気管支の分岐のみにマーキングを進めてこられた方でも、なぜか最末端の点だけは標的内部に打ってしまうことがあるケースが見受けられました。注意喚起のため本項目を設置しました。

15. Ziostation REVORASやDirectPath v2.1が使用できない場合

15-1. オブリーク法によるCT画像解析を行う場合、通常はZiostation REVORASやDirectPath v2.1を使用して解析を行うことを推奨します[3-1]。
15-2. [15-1]を推奨する主な理由は、これらのツールを使用することで術者の技量によるばらつきが減少し、画像解析の質が担保されると考えられるためです。
15-3. しかしZiostation REVORASやDirectPath v2.1が導入されていない施設では、Mac上で動作するDICOMビューアーであるHorosやOsiriX、またはAquariusNETビューア、SYNAPSE VINCENTなどの電子カルテ上で動作する汎用DICOMビューアーを使用してオブリーク法を実施することが可能です[3-2]。
15-4. [15-3]で述べたオブリーク法の解析を行う際は、当ホームページに掲載されているマニュアルや動画等を参考に技術の習得を進めてください。習得には時間がかかるかもしれませんが、熟練すれば専用システムと同等レベルの解析が可能となります。

16. OsiriXおよびHorosを用いたオブリーク法

16-1. OsiriX[https://www.osirix-viewer.com/]はスイスのジュネーブ大学で開発されたMacOS上で動作する医用画像ビューアシステムです。試用版としてのOsiriX Liteと有料版のOsiriX MDがあります。OsiriX MDは医療機器として承認されているようですが、Liteは承認されていないようです。詳しくはOsiriXのHPをご確認ください。
16-2. OsiriXから派生したシステムとしてHoros<https://horosproject.org/>があります。こちらは無料です。
16-3. OsiriXとHorosはデザインは似ています。ただしHorosはページング時のレスポンスが若干悪く、小さな気管支を見落としてしまいそうになることがあります。そのため通常はOsiriXを推奨します。ただしこれは使用するMacの性能に依存する可能性があります。
16-4. OsiriXやHorosを用いる場合、Karabiner-Elements<https://karabiner-elements.pqrs.org/>というフリーソフトを併用することで操作性が改善します。
16-5. 詳細は「事前準備_OsiriX_Horos.pdf」を御覧ください。
16-6. OsiriX_Horos_事前準備.pdf
16-7. OsiriX_Horos_事前準備.pdfに対応する説明動画
16-8. OsixiX_Horos_簡便なオブリーク法.pdf
16-9. OsixiX_Horos_簡便なオブリーク法.pdfに対応する説明動画
16-10. なおOsiriXやHorosを用いる場合、CT画像データ(DICOM形式)をCD-R等で電子カルテから出力し、Macに取り込むことが必要です。この際には匿名化したCT画像データを用いるなど、患者データの取り扱いには注意してください。

17. SYNAPSE VINCENTを用いたオブリーク法

17-1. SYNAPSE VINCENTは富士フィルムで開発された電子カルテ上で動作する医用画像ビューアシステムです。
17-2. SYNAPSE VINCENTは「気管支鏡シミュレータ」機能を公式にサポートしています。しかしこの公式機能にはオブリーク法は含まれていません。ただしSYNAPSE VINCENTでは、[3-2]に記載された方法の一つとして手作業のオブリーク法を実施することができます。
17-3. なおSYNAPSE VINCENTを用いる場合、CT画像データ(DICOM形式)を電子カルテから出力する必要はありません。電子カルテ上でオブリーク法を用いた手作業の解析を行い、解析結果を電子カルテ上に保存しておくことが可能です。
17-4. VINCENT_事前準備.pdf
17-5. VINCENT_事前準備.pdfに対応する説明動画
17-6. VINCENT_簡便なオブリーク法.pdf
17-7. VINCENT_簡便なオブリーク法.pdfに対応する説明動画

18. AquariusNETビューアを用いたオブリーク法

18-1. AquariusNETビューアはテラリコンで開発された電子カルテ上で動作する医用画像ビューアシステムです。
18-2. AquariusNETビューアは公式には仮想気管支鏡からオブリークCT断面に切り替える機能を持ちませんが、特定の操作を行うことで切り替えを行うことが可能です。[7-3]
18-3. なおAquariusNETビューアを用いる場合、CT画像データ(DICOM形式)を電子カルテから出力する必要はありません。電子カルテ上でオブリーク法を用いた手作業の解析を行い、解析結果を電子カルテ上に保存しておくことが可能です。
18-4. AquariusNET_事前準備.pdf
18-5. AquariusNET_事前準備.pdfに対応する説明動画
18-6. AquariusNET _簡便なオブリーク法.pdf
18-7. AquariusNET _簡便なオブリーク法.pdfに対応する説明動画

19. 精密なオブリーク法

19-1. OsiriX, Horos, SYNAPSE VINCENT, AquaruisNETを用いた簡便性を重視したオブリーク法については[16から18]で概説しました。
19-2. いずれのビューアーを用いた場合でも、[5-5および5-6]で示したようにきっちり輪切り断面[4-2]やきっちり縦切り断面[4-3]を用いることで画像解析の精度が上がります。小さい分岐が見落としにくくなり、仮想気管支鏡画像の代替として歪みのない輪切り断面を用いることができます。
19-3. きっちり輪切り断面[4-2]やきっちり縦切り断面[4-3]を作る方法として、下記のマニュアル[19-4]を参照してください。このマニュアルはAquariusNETで作成したものです。他のDICOMビューアーを用いるときにも考え方は同じですので、本マニュアルを参考にしていただけると思います。
19-4. オブリーク法応用編マニュアル.pdf