教室員

楢崎 雅司Narazaki Masashi M.D., Ph.D.

mail: mnarazaki@imed3.med.osaka-u.ac.jp

略歴

1980年 修道高校卒業
1987年 大阪大学医学部卒業
1987年 大阪大学医学部附属病院 研修医
1988年 国立大阪南病院 研修医
1994年 大阪大学医学部大学院修了
1994年 日本学術振興会 特別研究員
1999年 大阪大学医学部附属病院 医員
2002年 米国立癌研究所 Research Fellow
2005年 米国立癌研究所 Staff Scientist
2007年 大阪大学大学院医学系研究科 助教
2014年 大阪大学大学院医学系研究科 講師
2016年 大阪大学医学部附属病院 病院教授
2019年 大阪大学大学院医学系研究科 先端免疫臨床応用学共同研究講座 特任教授

所属学会

日本内科学会、日本リウマチ学会、日本アレルギー学会、日本呼吸器学会、日本免疫学会

一般書の出版

免疫をあやつる:診察室からお話しする免疫の仕組みをミネルヴァ書房から出版しました。
免疫は病原体から身体を守る仕組みです。免疫を強めたり弱めたりする薬が次々と登場し、様々な種類のがん、喘息などのアレルギー疾患、免疫が自分を攻撃する関節リウマチなど、多くの難治性疾患の治療に進歩がもたらされました。拙著では免疫の基本的な仕組みと、病院で実際に行われている免疫学の臨床応用を解説しています。

臨床

大阪大学医学部附属病院ならびに、国立大阪南病院(現 国立病院機構大阪南医療センター)にて初期研修をしました。両病院では一つ一つの症例に対し考えながら診療をすすめる態度を養うことができたと思います。その後7年間研究に専念し、1997年から大阪大学医学部免疫内科にて免疫疾患の診療、研究に従事しております。2002年からの米国での研究期間をはさみ、2007年より再び大阪大学医学部免疫内科にて診療をしております。時間が許す限り、丁寧な診察を心がけております。研究生活を長く送っていますが、観察するという研究者の視点は、病状の把握と治療の効果をよく観察するという点で臨床現場の医師としても大切なことだと思います。大学院から米国留学までご指導頂いた当時の岸本忠三教授の言葉をお借りして「なぜかと問いかける」考える医師でありたいと思っております。
The Best Doctors in Japan 2018-2019に選出されました。

研究

典型的な炎症性サイトカインIL-6の信号伝達受容体gp130と、血管新生サイトカインVEGF受容体Neuropilinをモデルにして受容体を介した信号伝達、受容体の機能制御の研究を大阪大学岸本忠三教授、米国立癌研究所Giovanna Tosato博士のもとで展開してきました。gp130はIL6ファミリーサイトカインに共通の信号伝達鎖として機能しており、一方、NeuropilinはVEGFやクラスIII Semaphorinに共通のリガンド受容体として機能しており細胞表面の受容体として対象的な機能を持ち興味を誘います。岸本先生からは研究にたいする真摯な態度と厳しさを教えていただき、またTosato博士からは興味を持って楽しんで仕事に取り組めば人生も楽しくなるイタリアの考えを教えて頂きました。2007年9月より米国から出身教室である大阪大学免疫内科教室に戻っています。基礎免疫研究からさまざまな抗体医薬、蛋白製剤が生まれ、臨床免疫の分野に登場し、治療や診断技術が急速に進歩している現場で、これまでの私の研究と臨床経験の両方を生かせるような仕事を目指しております。

教育

学生講義では最新の情報をまとめて免疫疾患の概要を把握させるとともに、免疫学研究がどのように臨床現場を変えて来たか具体例を示しながら解説しています。クリニカルクラークシップでは医学論文を読みこなして情報を収集し自分で考える姿勢を実地訓練させています。将来医療現場に立った時や研究を始める時に必須の基礎能力となるでしょう。学部生時代には眠りがちな阪大医学生のポテンシャルをしっかり引き出せるよう指導しています。

研究分野

サイトカイン受容体を介した信号伝達のしくみとその制御

主要論文

特許